21世紀の啓蒙の要約パート1【忙しい人向け】

2020/01/18

t f B! P L
21世紀の啓蒙はビルゲイツが絶賛した本で、ハーバード大学で心理学教授のスティーブン・ピンカー(進化心理学, 実験心理学, 認知科学, 言語学, 視覚認知を研究している心理学者)が書いた本です。

まず、啓蒙とはどう言う意味でしょうか?
調べたところ「無知な人を啓発して、正しいみちに導くこと」です。

自分は無知では無いと確信している聡明な人ほど読んだ方が良い本です。


さて、本書では聞き慣れない言葉や考えが多く、理解が難しいです。

なので超簡単に私なりに重要な点だけ要約して共有します。
私もただの人間なので、自分の知恵が混ざって書かれています。
短文で語りきれませんので、あくまで参考程度にしてください。

本文だけでは書いている私としてはつまらないので、私の意見も書きます。
読み飛ばしをしてもオッケーです。

不明な点、興味を持ったら是非、ご自分で買って詳細を確認してください。
名誉ある世界最高の教養書に違いありません。

第1部 啓蒙主義とは何か

人生の意味は何かといえば、合理的に説明するならいくらでもあります。
人間は理性と感覚を持ち、意味を作り上げられます。

そして人間は共感の能力(愛し、助け、思いやり)を持っています。

理性を持って他の人に「幸福」を共有することができます。

啓蒙主義とは、「正しい事実」で多くの人と幸福になる考えのことです。

※事実=実際に起こったこと。
※真実=その人が考えた本当のこと。

要約すると
「啓蒙主義とはみんなで正しい事実に気がついて、みんなで幸福になろう。」
ということです。

私の意見
何が正義かを定義するのは悪を生み出すことになるので私としては避けてきましたが、啓蒙主義は科学的根拠に基づいてみんな(大多数)が助かる方法を探る。
これはとても合理的に思います。
とはいえ、犠牲となるのが自分になった場合、考えが変わるのが人間なのでそこだけは脆弱な思想とも思います。

少数の誰かが犠牲になるのはいいけど、少数の犠牲に自分が含まれているなら反対したいですよね。

第一章 啓蒙のモットー「知る勇気をもて」

啓蒙とは何か、啓蒙主義とは何か

新しいことを拒否したがるのは人間のいつものパターンです。
知ることは勇気がいる行動です。

知る勇気を持てば、いずれの分野でも進歩できます。

とはいえ、悪い問題を解決しようと思ったら必ず失敗します。
状態が悪化することだってあります。

その中で最も重要なことは、誤りを見つけて正す方法です。
啓蒙主義とは正しいことを見つけることですが、
時代の流れで、宗教、多くの思想、科学の発展により、様々な考えが花開きました。
その分野では正しいが他の分野で矛盾するものもあり、多くの分野で新しい理解を探し始めました

それらを次の4つのテーマで全体をまとめることができます。

理性、科学、ヒューマニズム、進歩です。
※ヒューマニズムとは
人間にとって人間が最高で、人間性こそ尊重すべきものだとする、態度・思想傾向・世界観。
要約すると
「知る勇気を持って行動すれば失敗するけど、その失敗が重要な知識だ。」
「啓蒙主義は多くの思想により、矛盾し「正義」が複数ある。どれが正義かはともかく、理性、科学、ヒューマニズム、進歩の4つでまとめられる。」
ということです。

私の意見
何かを新しく行動すること=数え切れないほどの失敗 を意味します。
それは皆さんの肌感としてもご存知の通りです。だから失敗したく無いので行動したくないんです。

科学者が100人を救う薬を作っても実は副作用の方が大きく、1000人死んでしまった。ということだってありえます。

ならそこで研究はやめてしまい、その先に100万人救う薬を作るのを諦める決断をするでしょうか。

進歩することとは行動し失敗に立ち向かう勇気が必要です。
今こそ、全人類が力を合わせて立ち上がる時です。

その中で自分の正義を作ってしまえば争いが生まれますが、多くを救う科学を正義とするのは理性的です。

啓蒙主義者は合理的だと思います。

理性とは本来、交渉や駆け引きとは無縁のもの

理性とは、スピリチュアル(宗教、占い、幻影)などのものを使わないことです。
つまりは、科学的に事実に基づいて説明しなければならないのです。

そこに、「神」が入り込む余地はないです。

要約すると
「理性とは、科学的な事実である。スピリチュアルが入り込むとそれは理性とは言えない。」
ということです。

私の意見
今では科学では宗教を使わないのが普通ですが、100年前までは宗教こそが全ての考えの主流でした。
今では考えられないですよね。
雷の神様が怒っているから、雷が鳴るんです。本気で信じていたんですよ。

科学による無知と迷信からの脱却

イングランド人は130年前は「他者死体は犯人が近くに来ると血を流す。」ということを信じているが、現代では誰も信じていない。
現在には神話の代わりに信じているものは「事実を検証する科学」になった。

要約すると
「科学の発展により、神話(宗教)を信じる人が少なくなった」
ということです。
私の意見
日本人でも「お墓を蹴ったら天罰が下る」を信じている人がまだまだいますよね。
実際として、これは科学的ではないですよね。

感覚をもつ者への共感がヒューマニズムを支持する。

人間は幸福を感じられるが、それは自分という個人だけです。
とはいえ他人の幸福を自分のように喜ぶことだって出来ます。
それは共感という能力です。

隣人を助けることで、自分も嬉しくなります。

なので、今は自分だけ助かれば良いという思想はいずれ「みんなを助けるようになる」ということです。

そうして最大多数の最大幸福が上がることになります。

こうして、世界は個人や個々の集団だけではなく、世界市民(コスモポリタリズム)であることを受け入れられずにはいられなくなります。
※コスモポリタニズムとは、
人間は理性をもっている点で平等なので全ての人間は尊重されるべきであるという思想。

※コスモポリタンとは、
国籍などにはこだわらないで、全世界を自国と考えている人。世界主義者。
啓蒙主義が幸福の総量を上げるために、奴隷制度や加虐的な刑罰(鞭打ち、切断、腹切り、火炙り)を非難し、廃止させました。

要約すると
「世界は人間の共感という能力により世界が一つになることを受けれるしか無い。みんなで幸福の総量を増やすこと。それが人間性(ヒューマニズム)だ。人間性により世界はコスモポリタリズムになる。」
ということです。

私の意見
人はとにかく、区別を好みます。
家族、グループ、会社、国家、宗教、コスモポリタリズムはその区別をなくす考え方です。
人間は「私たち」という括りには責任を持ち、何かをしたいと考えますが、「彼ら」という括りには何をしても良いと考える動物なので、全てを「私たち」にするこの思想は合理的に思います。

啓蒙主義の進歩の理念とは何か

奴隷制度、加虐的な刑罰な刑罰の廃止を進歩と呼べなれければ、進歩などどこにも無いです。
なので、「これらは進歩である。」と定義しています。

啓蒙主義の進歩を使って、人間の本性を隠し美、伝統、自然をむやみに求める人がいる。
彼らはそうやって、高速道路と高層ビルと吹きさらしの広場を作りました。

それは啓蒙主義の進歩では無いです。
啓蒙主義の進歩とは、人間の本性の形を変えることなく、人類の制度を変えることに進歩への期待をかけることです

政治とは、個人の人には魅力的でも結局は全員にツケが回ってくる行動を抑制する合意のことです。

犯罪の刑罰も犯罪に見合っているものにする理由は正義ではなく軽犯罪者がエスカレートして大きな犯罪を抑制するためです。

要約すると
「進歩とは人間の本性を隠さずに政治を変えて人類を正しい方向に向かわせる。本来の人間性を考えることが啓蒙主義の進歩の理念。」

ということです

私の意見
良いと思います。
人類が作ったものは常に失敗だらけです。
人間の本性を無視するのは合理的では無いのでいつか破綻します。
本性に寄り添った考えが合理的なので、啓蒙主義の進歩の理念は正しいように見えます。

日本の未来の問題として、
日本の政治的にはシニア層が多くなり、大多数が高年齢者になります。
政治は大多数の感情的な意見により決まります。

つまり、大多数のシニアの意見が日本の意見です。これは1人1票なので絶対的です。

日本の未来の若者は優遇されることは間違いなくありません。

人類として後から今の若者にツケが回ってくるかもしれませんが、それが人類の総意の望む意見ならしょうがないと思います。

多くの人は、今の自分が良ければいいという考えですよね。
私がシニアなら合理的に考えて若者の未来より、シニアの自分を優先するはずです。

今ではそうはならないと言えますが、シニアになったらそうは言えないはずです。
これは心理的にしょうがないです。

日本は長期的に啓蒙主義と逆を進んでいるかもしれません。

人間の感情や理性は既に現代では通用しなくなってきているのは事実です。
そんな人類の感情に政治を任せるシステム自体が、既に現代ではバグだらけになっているのかもしれませんね。

続く...

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